スタジアムに貼られた「JAPANESE ONLY」という人種差別的の横断幕
2014年3月8日 Jリーグ ディビジョン1 第2節サガン鳥栖戦の、
埼玉スタジアムに貼られた「JAPANESE ONLY」という人種差別的と解釈される横断幕が貼られました。
ただし、横断幕が貼られていた場所はスタジアム内のコンコースで、選手から見える位置ではありませんでした。
画像はツイッターより
槙野智章選手のTwitterで拡散される
槙野智章選手は在日韓国人4世(現在は日本国籍)である李忠成選手に向けた差別メッセージと解釈し、Twitterに投稿しました。
Twitter上で拡散され大きな話題になりました。
今日の試合負けた以上にもっと残念な事があった…。 浦和という看板を背負い、袖を通して一生懸命闘い、誇りをもってこのチームで闘う選手に対してこれはない。 こういう事をしているようでは、選手とサポーターが一つになれないし、結果も出ない…
槙野智章選手のツイッターより
李忠成選手の反応
李忠成選手は在日韓国人4世で2006年に日本国籍を取得しました。
李忠成選手は2014年に浦和レッズに加入しますが、加入当初から一部のサポーターからブーイングがあり、「JAPANESE ONLY」は李忠成選手選手に向けられたものと疑われました。
李忠成選手はインタビューで以下の通り答えました。
選手を罵倒するサポーターは見たことがない。びっくりした。悲しかった。
なぜ自分たち味方の選手たちをブーイングするのか聞きたい。
映画「We are REDS! THE MOVIE」でのインタビューより
「JAPANESE ONLY」の本当の意図は?
「JAPANESE ONLY」は直訳すると「日本人以外お断り」です。
先述の槙野智章選手は在日韓国人の李忠成選手へのメッセージと解釈しましたが、
横断幕を作ったサポーターはその意図はでは無かったそうです。
クラブの聞き取り調査に該当のサポーターは以下の通り答えました。
ゴール裏は自分たち熱烈なサポーターの聖域で部外者には入ってほしくない。
最近は外国からの観客も増えているが、そういう人たちに応援の統制を乱されるのが嫌だった
ダイヤモンド・オンラインより
とあるように李忠成選手へのメッセージだは無く、ゴール裏に来る外国人へ向けた内容だとのことです。
Jリーグが浦和レッズに対して史上初の「無観客試合」の厳罰
Jリーグからの裁定内容は以下の通りです。
Jリーグ史上初の無観客試合となる最も重い処分が下りました。
- 譴責(始末書をとり、将来を戒める)
- 無観客試合の開催(入場者のいない試合を開催させる)
※対象試合:2014/3/23 J1第4節 vs清水エスパルス
Jリーグ史上初の無観客試合が開催される
Jリーグ史上初の無観客試合が開催されました。
スタジアムは歓声も場内アナウンスもなく、選手の声とボールの音だけが響いたそうです。
画像はGettyImagesより
横断幕、ゲート旗が禁止される
2014年3月15日(土)以降の試合にてホーム・アウェイ問わず、すべての横断幕、ゲートフラッグ、旗類、装飾幕等の掲出を禁止となりました。
URAWA BOYSなどサポーター11団体が自主解散
2014年3月27日、最も熱狂的なゴール裏の中心的なグループ11チームよりチームを解散するとの申し出がありました。
解散した団体は以下の通りです。
- URAWA BOYS
- B-ROCK CREW
- COOL BEANS
- Crimson Knights
- FF(Father Fuckers)
- RED GUN's
- R-NETTERS
- UK211
- U-UNITED
- URAWA RED A BRIGADE
- X-LINE
事件の主犯格であるURAWA BOYS SNAKE 98(通称:蛇)は事件直後に解散しました。
事件後はURAWA BOYSのリーダーである角田修一氏は辞任しましたが、URAWA BOYSのメンバーが事件後もゴール裏の応援を仕切っています。
2018年からURAWA BOYSの横断幕が復活し、URAWA BOYSの活動が再開されました。
参考ページ
浦和レッズ公式サイトに差別的横断幕のリリースがまとめられています。