2018年シーズンの浦和レッズは監督が2度変わり、波瀾万丈なシーズンでした。 最後に天皇杯を制覇し、ACLへ進むことができました。
そんな2018年シーズンを振り返り、最後に良かった点をまとめてみたいと思います。
7試合で堀孝史が解任
2017年7月にミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ)を解任し、堀孝史が監督になり、ACLを制覇したこともあり2018年も引き続き堀孝史が監督を続けることになりました。
しかし、リーグ戦は勝つことができず、2分3敗でJ2降格圏の17位となり、解任となりました。
堀孝史監督の基本フォーメーション
堀孝史のフォーメーションは昨シーズンと同じ4-1-4-1。
左サイドに今季加入したマルティノスが入りました。
出来事(堀孝史就任期間)
- ラファエル・シルバが中国の武漢へ完全移籍(2/3)
- アンドリュー・ナバウトが加入(3/5)
- 荻原拓也がルヴァン名古屋戦でデビュー。ゴールを決める(3/7)
- 宇賀神友弥が日本代表デビュー(3/23)
- 堀孝史監督、天野賢一コーチを解任(4/2)
組長こと大槻毅が監督就任
4月2日に堀孝史が解任になり、ユースチームの監督だった大槻毅が、次の監督が見つかるまで暫定的に監督になりました。
ネット上ではスーツにオールバックという格好から「組長」や「アウトレイジ」と呼ばれ話題になりました。
開幕からリーグ戦5試合未勝利だったチームを、無敗でオズワルド・オリヴェイラに引き継ぎました。
大槻毅監督の基本フォーメーション
就任後のルヴァンカップ広島戦は4バックでしたが、その後は3バックで3-5-2に変更しました。
就任後の3バックに変更した仙台戦のスタメンは下記になります。
出来事(大槻毅就任期間)
- 大槻毅が暫定的に監督就任(4/2)
- 山道守彦が強化部を離れ、中村修三がGMに就任(4/6)
- 橋岡大樹、柴戸海がデビュー(4/11)
- オズワルド オリヴェイラの監督就任が決定(4/19)
オズワルド・オリヴェイラがチームを立て直す
4月19日にオズワルド・オリヴェイラが監督に就任することが発表され、4月25日の柏レイソル戦から指揮を執ることになりました。
オズワルド・オリヴェイラの基本フォーメーション
ワールドカップでの中断期間の前後では4バックを試しましたが、3バックを続投しました。
ファブリリシオの負傷前は、興梠が1トップ、武藤とファブリリシオの2シャドーでしたが、
ファブリリシオの負傷後は長澤が復帰し、長澤が中盤に入りました。
フォーメーション図は下記になりますが、
実際には武藤が右サイド寄り、柏木が左サイド寄りになり、
青木と長澤のダブルボランチ気味の時もあります。
出来事(オリヴェイラ就任以降)
- 西川周作がJ1通算400試合出場達成(4/28)
- アンドリュー・ナバウトが負傷で長期離脱(5/2)
- レッズフェスタ開催(5/20)
- ファブリシオが加入(5/30)
- ルヴァンカップでJ2甲府に負ける(6/9)
- ワールドカップで中断(6月)
- 茂木力也がレンタル移籍から復帰(7/15)
- 遠藤航がベルギーのシント=トロイデンVVへ完全移籍(7/21)
- 槙野智章がJ1通算300試合出場達成(8/19)
- ファブリシオが負傷で長期離脱(9/1)
- オリヴェイラ監督が2試合ベンチ入り停止処分(8/30)
- ゲート旗が解禁(10/20)
- 平川忠亮が現役引退(11/26)
- 大原サッカー場が横断幕で埋め尽くされる(12/4)
- 天皇杯優勝(12/9)
2018年の良かった点
個人的に今シーズンの良かった点を書きます。
岩波拓也の獲得
岩波拓也の獲得は大きかったです。
シーズンの最初は出場機会がありませんでしたが、遠藤航が海外に移籍してからは、 「遠藤っていたったけ?」と思うほど、穴を埋めてくれました。
右ウィングバックの橋岡大樹との連携も良かったです。
新加入の若手の活躍
今年加入した、若手の橋岡大樹、荻原拓也、柴戸海の3選手が活躍してくれました。
新人が活躍するのは原口元気や山田直輝が活躍した2009年以来かなと思います。
上の世代もそうですが、今まではレンタル移籍してしまうパターンが多いので、この3選手が活躍したのは嬉しいですし、今後も新人が経験を積める環境になってほしいです。
カウンターとセットプレーで点が取れるようになった
オリヴェイラ監督に就任してからはカウンターとセットプレーで点が取れるようになり、
上位キラーになったり、天皇杯を優勝することができました。
しかし、守備を固めてくるような下位チームに対しては、難しい試合が多かったので、これが来シーズンの課題でしょう。
天皇杯優勝
苦しいシーズンでしたが最後に天皇杯が獲れたこと、 そして目標にしていたACLに出れるは良かったです。
ベガルタ仙台は初タイトルを狙っていたと思いますが、 天皇杯はACLのための手段と考えていた浦和レッズは、目標が1段階上だったので、その違いが結果に出たのではないかと思います。
槙野智章のユース選手への講義
槙野智章選手がのユース選手への講義をしたようですが、この動画で語っていたことが素晴らしかったです。
「俺はよそ者の選手かもしれない。でも俺はこのユニフォームを着て、練習着を着て、このエンブレムを背負って、この環境で、クラブでプレー出来るのがすごい嬉しい」
「それぐらい、紫の血でなく、赤い血が流れている。俺には」
こういう風に言ってくれる選手がいるのはサポーターも嬉しいと思います。
10/30、#槙野智章 ユース選手への講義から。後輩たちへ熱く語る中で、選手理念の「浦和を背負う責任」と浦和への思いを感じられるメッセージがあふれていました。#urawareds#浦和レッズ#浦和レッズ選手理念#講義 pic.twitter.com/8Ppa7Z1yLY
— 浦和レッズオフィシャル (@REDSOFFICIAL) 2018年10月31日
ベストゴール
個人的に2018年シーズンのベストゴールは、22節ジュビロ磐田戦のファブリシオの先制ゴールです。
もちろんファブリシオのボレーもスゴいですが、重要なのはその前の青木拓矢がミドルシュートを打つまでのまでのプロセスです。
公式のハイライト映像ではボール運びはわかりませんが、このゴールは長くポゼッション(ボール保持)した中でが生まれたゴールです。
この攻撃は、
1. ディフェンスラインに戻して左サイドから攻める。
2. 左サイドからクサビを中央に入れて、右サイドに展開。
3. 右サイドからグラウンダーのクロス入れて、こぼれ球を青木拓矢がミドルシュート。
となります。
この攻撃は良いところは
・左右両サイドを揺さぶれたこと
・ミドルシュートを打てたこと
この2つです。
例えば、ファブリシオが負傷する前のフォーメーションは3-4-2-1で、ミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ)と同じフォーメーションのため、ミシャと比べられることがよくありました。
ただ、ミシャとの違いは中盤を使えることです。
ミシャのシステムでは円を描くような配置なので、中盤に誰もいません。
中盤に誰もいないため、ミドルシュートを打つ機会がありません。
また、サイドチェンジするにも中盤を経由できないので、一度ディフェンスラインに戻してサイドに展開することになります。
サイドチェンジに時間がかかるため、相手の守備が整ってしまうので、あまり効果がありませんでした。
この点を改良したのがオリヴェイラのサッカーでした。
中盤がしっかりしているので、サイドチェンジに時間がかからず効果的なサイドチェンジができますし、
ミドルシュートも打てるようになりました。
青木拓矢は神戸戦でもミドルシュートを決めていますし、今回は書いてない守備面も上手くできています。
↓ 公式の動画ではありませんが、ゴールまでのパス回しが分かります。
試合結果
J1リーグ
堀孝史
J1 1節 | 2/24(土) | F東京 | △1-1 |
J1 2節 | 3/4(日) | 広島 | ●1-2 |
J1 3節 | 3/10(土) | 長崎 | △1-1 |
J1 4節 | 3/18(日) | 横浜FM | ●0-1 |
J1 5節 | 4/1(日) | 磐田 | ●1-2 |
大槻毅
J1 6節 | 4/7(土) | 仙台 | ○1-0 |
J1 7節 | 4/11(水) | 神戸 | ○3-2 |
J1 8節 | 4/15(日) | 清水 | ○2-1 |
J1 9節 | 4/21(土) | 札幌 | △0-0 |
オズワルド・オリヴェイラ
J1 10節 | 4/25(水) | 柏 | ●0-1 |
J1 11節 | 4/28(土) | 湘南 | ●0-1 |
J1 12節 | 5/2(水) | 川崎 | ○2-0 |
J1 13節 | 5/5(土・祝) | 鹿島 | ●0-1 |
J1 14節 | 5/13(日) | 鳥栖 | △0-0 |
J1 15節 | 5/19(土) | G大阪 | △0-0 |
J1 16節 | 7/18(水) | 名古屋 | ○3-1 |
J1 17節 | 7/22(日) | C大阪 | △1-1 |
J1 18節 | 7/28(土) | 広島 | ○4-1 |
J1 19節 | 8/1(水) | 川崎 | ○2-0 |
J1 20節 | 8/5(日) | 長崎 | △0-0 |
J1 21節 | 8/11(土・祝) | 鳥栖 | ●0-1 |
J1 22節 | 8/15(水) | 磐田 | ○4-0 |
J1 23節 | 8/19(日) | 清水 | △3-3 |
J1 24節 | 8/26(日) | 名古屋 | ●1-4 |
J1 25節 | 9/1(土) | C大阪 | ●1-2 |
J1 26節 | 9/16(日) | 横浜FM | ○2-1 |
J1 27節 | 9/23(日・祝) | 神戸 | ○4-0 |
J1 28節 | 9/30(日) | 柏 | ○3-2 |
J1 29節 | 10/7(日) | 仙台 | △1-1 |
J1 30節 | 10/20(土) | 鹿島 | ○3-1 |
J1 31節 | 11/3(土・祝) | G大阪 | ●1-3 |
J1 32節 | 11/10(土) | 札幌 | ○2-1 |
J1 33節 | 11/24(土) | 湘南 | ●1-2 |
J1 34節 | 12/1(土) | F東京 | ○3-2 |
YBCルヴァンカップ
ルヴァン 1節 | 3/7(水) | 名古屋 | ○4-1 |
ルヴァン 2節 | 3/14(水) | G大阪 | ●1-4 |
ルヴァン 3節 | 4/4(水) | 広島 | △0-0 |
ルヴァン 4節 | 4/18(水) | G大阪 | ○1-0 |
ルヴァン 5節 | 5/9(水) | 名古屋 | ○2-0 |
ルヴァン 6節 | 5/16(水) | 広島 | ○1-0 |
YBCルヴァン 1戦 | 6/2(土) | 甲府 | ●0-2 |
ルヴァン 2戦 | 6/9(土) | 甲府 | ○2-1 |
天皇杯
天皇杯 2回戦 | 6/6(水) | Y.S.C.C.横浜 | ○3-0 |
天皇杯 3回戦 | 7/11(水) | 松本 | ○2-1 |
天皇杯 4回戦 | 8/22(水) | 東京V | ○1-0 |
天皇杯 準々決勝 | 10/24(水) | 鳥栖 | ○2-0 |
天皇杯 準決勝 | 12/5(水) | 鹿島 | ○1-0 |
天皇杯 決勝 | 12/9(日) | 仙台 | ○1-0 |
成績
J1 | 5位 |
---|---|
YBCルヴァンカップ | プレーオフステージ敗退 |
天皇杯 | 優勝 |
以上が、浦和レッズの2018年シーズンの総括でした。